ワーキングホリデービザやビジタービザ、または学生としてカナダに長期で滞在する際に必要になるのが旅行保険です。
カナダの長期滞在者向けの現地医療保険と日本の海外旅行保険とでどちらにするか検討されているという方はこのブログを読んでどちらが自分に向いているか検討する材料になると思います。
*ここで比較の為に使用するカナダの保険会社はAllianzです。
もくじ
そもそも海外旅行保険とは何?
”海外旅行中に被ったケガや病気による死亡・後遺障害・治療費用のほか、賠償責任、携行品損害、救援者費用などを補償する保険です。”(日本損害保険協会より)
日本国外に出た際に起こりうる様々なリスクから守ってくれる保険です。
海外旅行保険って必要?
医療費のコスト
万が一保険に加入せずに病気や事故にあってしまった場合にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか
風邪の治療
カナダでは病院へ行ってドクターに診てもらうケースと、電話でオンラインでアポイントメントを取るケースがあります。たとえば後者の電話アポイントメントの場合で保険がない場合には$85かかります。また薬代は別途かかります。
交通事故などの治療
バンクーバーにて交通事故を扱う弁護士事務所へ話を伺ったところ、例えば歩行者として交通事故にあってしまい入院が必要になった日本人留学生のケースではおおよそ$50,000の医療費の請求がありました。ケースバイケースですが一般的にカナダでの事故による治療費は高額です。
救急車
救急車の費用はBC州健康保険(MSP)に加入している場合にでも一律$80かかりますが、保険がない場合には一般的な救急車での輸送が$848、ヘリコプター輸送の場合は一時間当たり$4394、そして飛行機輸送の場合には1マイルあたり$11です。
移民局や学校の規定
そもそも保険がないとカナダへの入国ができない、または学校のプログラムが開始できないといった可能性があります
ワーキングホリデーの場合:
カナダで滞在する全期間、健康保険に加入していなければならない
保険に加入していない場合には入国を拒否される可能性がある
加入期間がカナダ滞在期間予定より短い場合にはその保険の加入期間のみの期間のワークパーミットが発行される
と移民局のウェブサイトに記載されています。
学生ビザの場合:
コースを受講している期間は保険への加入が義務である事が規定である学校が多いようです。これはUBCなどの大学から語学学校まであてはまります。
これら事からカナダで長期滞在をするには保険は必須である、といえるでしょう。
現地医療保険の特徴
カナダの保険は日本の医療保険に比べて値段が安いです。
ここでいくつか例をみてみましょう。
例1)25歳ワーキングホリデー1年
現地保険 約9.2万~
日本A社 約21万~
日本B社 約19万~
日本C社 約19万~
例2)35歳留学1年
現地保険 約7.6万~
日本A社 約21万~
日本B社 約19万~
日本C社 約19万~
安いのには訳がある
ではなぜ安いのか、それは
保険のカバー内容が以下のみに限られているからです。
緊急を要する医療
緊急を要する歯の治療
緊急を要する医療にかかわる移動の費用
病気と怪我に関するカバーのみに特化したシンプルな保険なので料金が安いんですね。英語でいうNo frills(フリル、飾り無し)といったところでしょうか。
日本の海外旅行保険の特徴
次に私がリサーチした日本の海外旅行保険の特徴についてお伝えしたいと思います。
日本語でのサービス
日本の会社ですので日本語で対応してくれます。
キャッシュレスのサービス
キャッシュレスとは(提携をする)クリニックで治療を受けた際、自分で支払いをする必要がなく保険会社が直接支払いを行ってくれるというものです。
かっこで提携をする、とあるのは保険会社のウェブサイトには提携でない病院でも紹介可能とあったからですがどの程度対応してくれるのかは不明です。
一方カナダの保険は自分で先に支払いをし、その後返金をしてもらうシステムです。
盗難
携行品損害補償は(日本から持ってきた)自分の所有物が盗まれる、壊れる、もしくはその他事故によって損害を受けた際に補償するオプションです。これは何が補償の対象なのかを良く確認されることをお勧めします。例えばバンクーバーで聞くパソコンの盗難は保険の対象になりますが、現地で購入した携帯電話だと保険によっては対象になりません。
またお財布が盗まれた際、現金やクレジットカードなども対象外であることが一般的なようです。
賠償責任保障
これは他人に怪我をさせてしまったり、物を壊してしまってしまい法律上賠償しなければならない場合に保険がおりるものです。例としてはホテルのキーをなくした場合、レンタルしたものに損害を与えてしまった場合などがありました。
まとめ
以上の事を踏まえ、また私の保険屋さんとしての経験から以下の事が言えます。
カナダの保険が合っている方
最低限の保険料でかつ医療費のカバーが必要
コストを抑える事重視であればカナダの保険が良いでしょう。
ある程度英語での書類の処理ができる
私もクライアントのクレーム対応などある程度はサポートができますが、一定の事項に関してはクライアント本人様が会社へ問い合わせていただく必要がある可能性があります。
日本のような完璧なカスタマーサービスを求めない
これはカナダの全てのビジネスに言えることですが日本のサービスのように即日返答が来る、とても丁寧な対応は期待できません。文化の違いがストレスにならない方に向いています。
日本の保険を検討されるのが良い方
100%日本語でのサポートを希望してる方
いざというときに日本語で100%対応してほしいという希望がある方には日本の会社が向いているといえるでしょう。
持病や体質の関係で病院へかかることが多くある
持病が保険でカバーされるのかという事も確認してほしい事のひとつですが、病院にかかることが多い場合にはその分保険会社とのやり取りも多くなりますので、その場合には一般的に対応が早く日本語でコミュニケーションできる日本の会社の方が良いかもしれません。
盗難や賠償責任の保障が欲しい
これらのメディカル以外の補償については日本の保険のみが対応しています。
どちらの保険がより良い、ということではありません。ご自身がどのようなサービスを求めているのかでどちらに加入するか検討するのが良いです。
また6ヵ月以上BC州に滞在される方はMSPと呼ばれる州保険に加入する事もできます。こちらについてはまた別の記事で説明したいと思います。
参考
海外旅行保険とは
MSP ITNL student:
Ambulance Fee:
IRCC Q&A for insurance:
UBC health insurance policy :
ILSC health insurance policy:
LSI Education health insurance policy:
Cornerstone College health insurance policy:
日本の保険の価格
https://www.207207.jp/workingholiday/?gclid=CjwKCAjwsvujBhAXEiwA_UXnAAngFQaa3IVi99hODvd75CfLe4Q_n6pdfAqNPBrtsBKQEbm6O6XrFBoCBdcQAvD_BwE
キャッシュレスサービスについて
https://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/leisure/off/support/assist/
https://www.ms-ins.com/contractor/emergency/kairyo/medical_service/
盗難や賠償責任保障について
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/travel/kaigai/attention.html
https://www.sompo-japan-off.jp/hoshou_baishou.html
コメント